近年日本では健康志向が高まっています。多くの人が自分自身の健康のために運動や食生活の見直しを行っているのではないでしょうか?また、オーガニックや無農薬野菜という言葉をよく聞くようになりました。
私が10年ほど前にイタリアに行ったとき、スーパーマーケットにオーガニック食品だけを集めたコーナーがあり驚きました。日本では見かけたことがなかったので、どういうものなのか良く分かりませんでした。日本では最近よく耳にするオーガニック食品ですが、イタリアではどのくらい前から生活の中にオーガニック食品が取り入れられているのでしょうか?
今回は、イタリアでのオーガニック食品事情についてご紹介します。
オーガニックとは?
そもそも”オーガニック”とは何かご存じでしょうか?同じ類の言葉だと、無農薬や有機栽培でしょうか?敬遠する人の中には、オーガニックが何なのか理解していない人も多いです。オーガニックとは、有機栽培で作られたものを指します。つまり、オーガニック=有機栽培ということです。有機栽培とは、環境に配慮し、有害な肥料や遺伝子組み換え技術を使用せずに作物を栽培することを指します。
混同しやすい”無農薬”という言葉ですが、実は、法律的には商品に使用してはいけない言葉なのです。農林水産省のガイドラインで定められており、”栽培期間中不使用”など、違う言葉を使わなければいけません。
イタリアのオーガニック事情
では、イタリアではどのくらいの人がオーガニック食品を取り入れた生活をしているのでしょうか?2016年のデータでは、イタリア人の約8割の家庭が最低でも1回はオーガニック食品を購入したことがあり、約半数の家庭では週に1回はオーガニック食品を消費しています。
調査では、イタリアにある農場の4割弱が有機栽培をしており、主な農場はプーリア、カラブリアなどの南イタリアです。反対に、オーガニック食品を消費している割合が高いのはイタリア北部。オーガニック製品消費の6割強はミラノのある北イタリアです。
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理由は?
では、なぜオーガニック食品購入するのか?その理由で最も多いのは、安全な食品だから。食品の安全、安心の理由で購入に至っており、続いては品質や環境への配慮でオーガニック食品を選択。また、品揃えの多さで選ぶ人も多くいます。種類が豊富だと選ぶ楽しみもあり選択が広がりますね。
ベジタリアン、ビーガン(Vegetariano,Vegano)
オーガニック食品を選択する人の中には、ベジタリアンとビーガンの人もいます。この違いご存知でしょうか?
<ベジタリアン>
肉や魚を食べない人。野菜中心の食生活。
<ビーガン>
動物性食品を食べない人。(肉、魚、卵、乳製品など)
このような食生活を選択する人は、動物愛護や環境保護に関心が高い人も多いですが自身の健康の為に選ぶ人もいます。また、ベジタリアンとビーガンの割合は、イタリア人全体の8%に当たります。(2016年のデータより)
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人気の食べ物
オーガニック食品の中で人気なのは、お惣菜、野菜ジュース、パンです。イタリアでは、既に調理済みで簡単に食べられるお惣菜が人気です。
また、チーズの代用品も人気です。オーガニック飼育された(農薬を使わずに育てられた)牛から作られるオーガニックチーズもありますが、チーズの代用品はチーズに似せて作られたものです。原材料は主に水とひよこ豆などから作られ、乳製品を食べないビーガンの人たちからも支持されています。
長寿国?!
イタリア=ピザのイメージが強いからか、イタリア人はハイカロリーな食事を好むように見えてしまいがち。でも、実際はそんなことないんです!もちろん人によりますが、1日の食事量は日本人の方が多いかもしれません。日本では3食白米を食べることは珍しくないとイタリア人の友達に話したら、ヘルシーな和食のイメージが強いからか、『日本人はそんなに食べるの?!』と驚かれました。
和食とイタリアンは素材の味を活かす点が似ています。そんな両国はなんと、”寿命”も似ていました。
日本は寿命が長い国と言われていますがイタリアも負けず劣らず!2019年のデータでは、日本の平均寿命で男性は81歳、女性は87歳。ランキングでは香港に続いて第2位!一方イタリアの平均寿命は、男性が80歳、女性が85歳で第8位!まさか世界のトップ10に入っていたとは。イタリアは想像以上に長寿国でした。
さいごに
いかがでしたでしょうか?食品だけでなく、環境問題まで考えてオーガニック食材を取り入れていることには驚きました。
日本でも、環境問題の改善に向けレジ袋有料化など様々な取り組みが始まりましたが、自身の健康と環境に対して同じ意識を持てるイタリア人を尊敬します。そのような人が増えると日本のオーガニック市場はもっと大きくなり、選択肢が増え楽しく健康になれそうですね。
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