驚くべき事実!!イタリアのいじめ事情とは?

驚くべき事実!!イタリアのいじめ事情とは?

mina

学生時代のイタリア旅行を機に、イタリアの虜に。食べること、飲むこと、自然が大好き。なにより明るいイタリア人が大好きです。独学でイタリア語を学び、フィレンツェへ短期語学留学。現在も子育てしながらイタリア語学習継続中。

進級して新しいクラスになる時や、新学期を迎える春はワクワクする気持ちと同じくらい不安な気持ちになりますよね?大人になると忘れてしまう気持ちですが、子供にとっては社会に出る大きな一歩。わが子となれば、その不安はより一層ですよね?

中でも一番の不安は『いじめ』ではないでしょうか? 日本でもいじめに関する悲しいニュースは後を絶ちません。では、イタリアではどうなのでしょう?今回は『イタリアのいじめ』についてご紹介します。

いじめはある?ない?

明るく、陽気なイメージの強いイタリア人ですが、いじめはあります。日本人に比べ、物事をはっきり言う人が多いので言い争いや喧嘩が起こりやすいです。実際に朝の通勤時など混んでいる時間帯の道路では、前の車に『早く走れ!』『何をしているんだ!』というジェスチャーで怒っている人をよく見ます。

一方的に相手を責めるいじめは、言い争いや喧嘩とは違います。ですが、昨今イタリアでも『いじめ』は問題になっています。

イタリアは○位?!

いじめの少ない国ランキング 2013年

国連児童基金のユニセフが、『子どもの幸福度』をランキング形式で調査、発表しています。この調査は2013年に行われてから、7年ぶりに昨年実施されました。アンケート内容は全く同じではないので、それぞれの結果をご紹介します。2013年のランキングでは日本を含む世界30か国の11歳、13歳、15歳の子どもが『過去数か月に学校で1回以上いじめられた』と答えた結果をランキング形式にしたものです。仲間はずれ、無視や陰口などのいじめを含んだものです。

いじめの少ない国トップ10 2013年

1位 イタリア

2位 スウェーデン

3位 スペイン

12位 日本

驚くべきことに?!イタリアは1位!!素晴らしい結果ですね。一方、日本は12位でした。いじめ被害の割合では、日本では4人に1人以上がいじめに遭っている結果でした。1位のイタリアでは10人に1人という結果で、日本と大きく違いました。

いじめが少ない背景として、『移民の多さ』が挙げられます。イタリアでは、移民に対してとても寛容な人が多いです。昔から移民の流入が多いので、肌や目の色で差別をすることはとても少ないです。イタリア人だから、こうでなければいけないという考えがなく、ありのままを受け入れてくれる人が多いのも、いじめの少なさに繋がっています。

幸福度調査 2020年

幸福度調査とは、先進国及び新興国38ヵ国をPISA(OECD生徒の学習到達度調査)や世界保健機関(WHO)等のデータを基にして構成されるランキングです。『精神の健康』『体の健康』『スキル』の3つの項目に分けられます。精神の健康とは、『15歳児の生活への満足度』と『15歳から19歳までの自殺率』の項目によってランキングされているので、今回は『精神の健康』をご紹介します。

幸福度調査 精神の健康 2020年

1位 オランダ

2位 キプロス

3位 スペイン

9位 イタリア

37位 日本

先ほどの2013年のランキングに比べるとイタリアの順位が下がっていますが、トップ10入りしています。

一方、イタリアに比べ順位がとても低い日本の理由としては、『自殺者の多さ』が挙げられます。10万人当たりの(15歳~19歳)自殺者数は、平均が6.5人。最も自殺者数が少ないギリシャは10万人に対し1.4人イタリアは2.5人。なんと、日本は平均以上の7.5人原因は、いじめや暴力など学校問題が最も多く、自殺は10代の死因トップです。

ちなみに、3つの項目全てを合わせた幸福度ランキング総合順位は下記の通りです。

1位 オランダ

2位 デンマーク

3位 ノルウェー

以前、『イタリアの性教育』について執筆した際にオランダの性教育が進んでいると触れましたが、『子供の教育』において高い水準であることが分かります。

イタリアでは性教育が義務教育ではない?!遅れている背景とは?

続きを見る

イタリアのいじめとは?

イタリアでは、4,5人以上のグループで行動することが多いです。または、それ以上の10人ほどの大人数の場合もあります。なので、グループ内でのいじめが多く、仲間から外されることが多いです。私たち日本人でも、仲間外れにされた経験がある人も多いとは思いますが、イタリアのように大人数から外されるのは疎外感が大きいように思います。グループに属さない選択も必要だと思いますが、それも勇気のいることですよね。この点は、少し日本と違うのかなと思います。

さいごに

いかがでしたでしょうか? 数字だけ見ると、ヨーロッパ諸国の順位の高さと日本のランキングの低さに驚きます。結果だけを鵜呑みにするわけではなく、その背景や状況を汲み取り、考えることが求められます。

海外の人が驚くほど、日本の自殺率は高いです。いじめをなくすことが一番ですが、心のケアやサポートを充実させることも併せて必要だと思います。また、日本もイタリアのように寛容に相手を受け入れる社会にしたいですね。

イタリアの学校には○○がない?!自主性重視の教育とは

続きを見る

ミレニアム世代初の聖人とも?15歳で夭逝した少年、カトリックの福者に

続きを見る

参照

●Glolea『人種差別がほとんどない理由

●ダラ奥情報局『いじめの多い国ランキング

●Teach For Japan『子供の精神的幸福度

●Sustainable Japan『子供の幸福度

●ユニセフ『子供の幸福度調査 レポート

●しんぶん赤旗『日本の子 精神的幸福度 最低水準

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

mina

学生時代のイタリア旅行を機に、イタリアの虜に。食べること、飲むこと、自然が大好き。なにより明るいイタリア人が大好きです。独学でイタリア語を学び、フィレンツェへ短期語学留学。現在も子育てしながらイタリア語学習継続中。

-留学・暮らし
-