イタリアで家庭菜園にブームの兆し
Rai News.itの記事によると、新型コロナウイルスの感染蔓延によるロックダウン措置で゛自宅園芸生活゛がイタリアでブームになりつつあるということです。
イタリア人の10人に6人が園芸を趣味としているそうで、自宅待機を余儀なくされた状況でベランダやバルコニーや庭などで野菜や花を育てているようです。
また、イタリアの農業団体Coldirettiの報告によると、種子、苗木、肥料、園芸道具などの売上も急増しているということです。それでも、ロックダウン当初は町に誰もいない状態になり、花や苗木などは買い手がおらず捨ててしまうしかない状況のところもあったようです。
1.何を育てるか
ブーゲンビレア、ハイビスカス、ゼラニウム、デージーなどの花を育てたり、家庭菜園にトマト、キュウリ、ズッキーニ、レタス、ジャガイモ、ナス、ピーマン、ニンジンなどを植えたりしているようです。
また、香辛料としてイタリアでよく使われているバジル、ローズマリー、サルビア、ミントなども栽培されているということです。
さらに、桃、サクランボ、ザクロ、イチジク、レモンなども自宅の庭やベランダで育てられているようです。その中でも特にレモンは、多くの家庭菜園で栽培されているようで、庭がある家にはよくレモンの木が植えられているそうです。
なお、種子や苗木を購入せずにスーパーで買った野菜からレタスやニンジンなどの栽培を試みる人たちもいるそうで、YouTubeなどの動画サイトにどのように育てたら良いか解説するビデオが多くあげられているようです。
スポンサーリンク
2.オーガニック志向
自宅待機生活の暇つぶしとして園芸をし始める人たちも多いそうですが、なくべく化学肥料などを使用せずに植物を育てることを楽しんでいるそうです。
市販の農薬で雑草や害虫を駆除するのではなく、防虫ネットを張ったり、手作業で虫を取り除いたり、自家製の虫よけスプレーを植物に吹きかけたりしているようです。
なお、ペットボトルに2リットルほどの水と押しつぶしたニンニク(3~4片)と唐辛子(4~5本ほど)を入れて3日~4日ほど日光に当ててから使用する手作り虫よけスプレーが、簡単に作れるためによく利用されているそうです。
また、ナメクジなどを撃退するためにコーヒーの粉や卵の殻を野菜の周りを囲むように撒いたり、ビールを入れたカップを植物のそばに置いたりもしているようです。夏には、蚊を追い払うために自家製の蚊取り線香を作る人もいるそうです。
肥料としては、家庭内生ゴミや落ち葉や雑草などを中に入れて堆肥を作るコンポストを自宅に備えて利用することもあるようです。また、市販の有機肥料を使うこともあるそうです。
このように農薬や化学肥料を極力使用しないで自分で育てた野菜や果物を食すことを目指して家庭菜園に励む人々もいるようです。
3.子どもと一緒に植物を育てる体験
ロックダウンにより学校も閉鎖されているために、親が子どもたちと共に自宅で花や野菜作りをしているということです。種を蒔いて、水をあげて、少しずつ大きくなって、花が咲いたり、実がなったり、または、枯れてしまったりする植物の様子を一緒に観察しているようです。
スーパーで袋詰めにされたサラダを買うことでは得られない自分で育てる家庭菜園の経験は、子どもの体験学習という側面もあるということです。
色々な栽培方法を試しても、思い通りには育ってくれない花や野菜。それでも、試行錯誤しながら家族と一緒に栽培を続けていくことで、親も子も多くのことを学ぶ機会になっているようです。
スポンサーリンク
4.サルビアの葉、かぼちゃの花の天ぷら
イタリアの家庭菜園ではカボチャやサルビアも栽培されているようで、日本ではそれほどポピュラーではないようですが、カボチャの花やサルビアの葉はフライにして食べられているようです。
また、ズッキーニの花の天ぷらもよく食されているそうです。ちなみに、アンチョビを中に入れてズッキーニやカボチャの花を天ぷらにすることもあるようです。
さいごに
新型コロナウイルスの影響で゛自宅園芸生活゛を開始する人がイタリア国内で増えているようですが、新型コロナウイルス後の社会でもそのまま自宅で園芸を続けていく人も数多くいるかもしれません。
いずれにしても、楽しみながら自分で植物を育ててみようとしているようで、自宅で出来た野菜を近所に配ることで近所同士の交流を促すこともあるそうです。
また、SNSを通じて自宅園芸の悩みや問題を共有することもでき、色々な動画やサイトを参考にしながら自分なりの花や野菜や果物作りに励んでいるようです。