最近日本では、毎日のように交通トラブルについて報道されています。あおり運転や、高齢ドライバーなどの言葉はここ数年でよく聞くようになりました。”日本人はマナーが良い”という海外からの評価に対し、少しづつ変わってきているような気がします。
海外へ行くと、交通ルールの違いは別としても驚くことが多いですよね?レースのようなスピードの速い運転や3人乗りのバイクなど、日本では考えられない場面を見ることも多いと思います。また、交通ルールを守っていても交通事故はどこの国でも起こっています。今回は、イタリアの交通トラブル、交通事故の原因が日本と比べてどう違うのかご紹介します。
イタリアの主な交通手段
イタリアは日本に比べ交通手段が多いです。仕事へは、電車や車はもちろん路面電車のトラムや自転車を使う人も多いです。その為なのか、日本のような通勤ラッシュの満員電車は存在しません。これは、日本(主に東京)ならではの光景なのかもしれません。
羨ましい一方で、イタリアでは頻繁にストライキが発生します。理由は様々ですが、ストライキが行われる場合、電車、トラム、バスなどの交通機関が一定時間止まってしまいます。幸いにも朝の通勤時間帯は避けられて行われることが多いです。
交通トラブル
近年、日本で問題になっている交通トラブル。特に”あおり運転”は大きな問題になっており、いつどこで誰が巻き込まれてもおかしくありません。では、イタリアではどのような交通トラブルが多いのでしょうか?
イタリアでも車間距離をあけずに運転するあおり運転は存在します。ですが、日本のように悪質なものはほとんどありません。イタリアの友人曰く、”車間距離が短くても気にしない”そうです。車間距離を取るとその間に車が入ってくるので、それを防ぐために、ぴったり前の車について運転している場合が多いそうです。大きく違うのは、”あおり運転をしている”、または”されている”という感覚が日本人と比べてとても低いことです。
また、クラクションを鳴らすことも鳴らされることも日常的にあります。歩いていると常にどこかでクラクションの音が聞こえるくらい頻繁に聞こえます。なので、危険な時はもちろん、前方の車が遅いときなどクラクションを鳴らすことは日本と比べ日常的な行為に当たるので、日本で報道されるような事件に発展することはあまりありません。
イタリアでは駐車のトラブルがよく発生しています。イタリアは歴史的建造物が街中に多く保存されているので、新しく駐車場を整備することが難しいです。その為、道路沿いに車を停める路上駐車が一般的です(決められた場所以外は駐車禁止で、場所により有料、無料があります)。縦列駐車が多いので、前後に車があり出られない時や、入ろうとしていた時に割り込みされる時などにトラブルになりやすいです。
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交通事故
発生件数
日本の場合、交通事故件数はここ数年右肩下がりで減少しています。また、交通事故における死亡事故も年々減少しています。減少理由としては、シートベルトの着用率向上や、歩行者の交通ルール遵守などによるものです。また、事故件数が減っているとは言え、2019年は3215人の方が交通事故で命を落としています。
イタリアも日本と同様に、事故件数、死者数ともに少しずつですが減少傾向です。発生件数に比べ死者数が日本に比べ高く、特にイタリア南部で発生した事故は死亡率が高い特徴があります。イタリアの交通事故による死亡事故は10万人に対し5.60人、一方日本は10万人に対し3.10人です(2017年度までの統計)。
原因
日本の場合、わき見運転など安全不確認による追突事故がとても多く、交通事故の7割以上に当たる原因です。
イタリアも不十分な安全確認による事故も多く、特に優先道路の選択ミスにより事故が発生しています。スピード超過による事故も多いです。また最近では、自転車での事故が増えてきています。
ミラノなどの大都市では自転車専用レーンを設置していますが、旧市街など歴史的建造物の多い中心街は特に道幅の狭い道路が多いです。その為、車道を走る自転車のリスクは大きく、車との接触事故が増加しています。
さいごに
いかがでしたでしょうか?安全不確認による交通事故の原因は、日本もイタリアも似ていますね。”あおられている”と感じない、思わない点はさすが”陽気な国イタリア”だと思いました。日本だと運転中にクラクションを鳴らす行為でさえ、少し勇気がいると思います。自動車の運転において、イタリア人に比べて日本人は少し神経質な面があるように思えました。
後部座席もシートベルト着用、運転中の携帯電話の使用禁止等のルールは日本もイタリアも同じです。イタリア滞在中に運転する人もいると思いますが、事故を起こさない、巻き込まれないように気を付けながら楽しみましょう。
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参照
- 交通局『令和元年中の交通事故死亡者数』
- 在ミラノ日本国総領事館『滞在者情報 安全運転のために』
- 公益社団法人 交通事故総合分析センター『交通事故発生状況』
- Global Note『世界の交通事故死亡率 国別ランキング・推移』
- ASAPS.it『ACI: GLI INCIDENTI STRADALI 2019 NELLE 106 PROVINCE ITALIANE』