イタリアのホームステイ、私が家賃の前貸しを頼まれた、4パターン

イタリアのホームステイ、私が家賃の前貸しを頼まれた、4パターン

ゆうさん

学生時代にローマ・サピエンツァ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。今は日系企業で国際提供業務に従事する社会人3年目。イタリアで仕事をする機会を細々と狙っています。サザンオールスターズとサンドウィッチマンが大好き。

私のホームステイ先、ホストファミリーは、基本的に家計が"とっても"ピンチでした。家はおばあちゃん(パオラ)おじいちゃん(ライモンド)の老夫婦。単純に夫婦2人暮らし・かつ年金暮らしなら別ですが、子どもや孫が近所に住んでいたりすると、色々なことにお金がかかります。

ホームステイ中、私は常に前貸しに追われておりました。一番大変だったときは、2月の時点で既に4月分までの家賃を支払い済みで、果たして留学終了時まで私がここにいれるのか不安になっていました(笑)

最終的に7月末まで無事に滞在することができ、何とかなりましたし、今から振り返ると笑い話です。この記事では、「イタリアの暮らしも大変だなぁ」ということから、ちょっと笑えてしまうことまで、私が前貸しをお願いされたケースを紹介します。

ローマ留学中、前貸しを頼まれた4パターン

1.水道・光熱費の支払い時

日本では、毎月もしくは2ヶ月に1回程度、水道光熱費などの請求が来ますよね。ただ、イタリアの場合は、2,3ヶ月に1回程度であることが多いようです(少なくとも私が住んでいた家はそうでした)。

そして、まとめて支払うので、急遽多くのお金が必要になります。払い遅れれば水やガスなどを止められてしまうため、期日までに何とかやりくりしようとするのですが、パオラたちの手元にお金がありません。

そのため必然的に私に声がかかります。

2.パーティー・お祝い時

パーティーもお金がかかる要因の一つです!私のホストファミリーは、近所に住んでいる親戚をいーっぱい集めて、誕生日やクリスマス、祝日などを盛大にお祝いします。

私が留学していた頃、パオラとライモンドには、5人の子ども、6人の孫がいました。そして、彼らの誕生日を祝う場合も、それぞれの家ではなく、パオラの家でパーティーを開く場合がほとんどです。

いつもすごい料理を作ってくれるのですが、資金はどこから出していたのでしょうか...?私の前貸しです。誰かの誕生日が徐々にやってくる頃、部屋の遠くから足音が聞こえるたびに「あ、前貸しかな?」と考えてしまいました(笑)

特に、クリスマス時、パオラは本当に大変でした!何といっても親戚大集合です。具体的には、

  • 老夫婦(パオラとライモンド)とステイさせてもらっている私(=3人)
  • 長女一家(=4人)
  • 次女一家(=2人)
  • 次男A一家(=2人)
  • 次男B一家(=5人)

※長男はこの時は不在、次男A・Bは双子

なんと、合計16人!すごいですよね。16人が一堂に会し一緒にご飯を食べます。イタリアでは12月24,25,26日の3日間をクリスマスとして祝うので、食費もなかなかえげつないことになります。

すると自然と私の部屋のノックが叩かれます。切なくも、どこかかわいげのある顔でパオラが見つめてきます。そして、気が付くと、私は一緒に食材を買いに行き、支払いを肩代わりして、その分を家賃の前貸し代に充てることになっていました...。

3.誕生日プレゼントが必要な時

パーティーにやや近いのですが、敢えて別枠に分けました。パオラたちからの誕生日プレゼントは、時々モノではなく、お金をそのまま渡すこともありました。日本でも、孫の趣味や好きなものが分からないおじいちゃん達が、孫にそのままお金を渡すケースはあると思います。

パオラとライモンドも、時折、現金でプレゼントとしていたのですが、それも私が前貸ししたこともあります。借りたお金でプレゼントになるのかな?と、ちょっとだけ思うこともありましたが、今振り返れば全然オッケーです。

4.孫の病気関係

当時、ホストファミリーが抱えていた、最も深刻な問題は、この孫の病気でした。実は次男B一家の末っ子ちゃんが、先天性の腎臓疾患を抱えていて、それの治療などのためにかなりお金がかかっていました。

そしてB家の夫婦は共働きで働いていますが、イタリアで3人の子供を育てることはただでさえ大変なのに、治療費に多くが消えてしまいます。そのためおばあちゃんがお金をあげたりして何とか凌いでいるのが現状でした。

当時5歳の末っ子は、おしっこをちゃんと出すために毎日腎臓の薬を飲んでいました。とってもかわいい女の子で、事情を知っている身としては本当に切ない話なのです。

ちなみに、今は投薬や手術をしてほとんど回復し、元気なおてんば娘になりました。本当に良かったです...。

ひっそりと人気のない場所に呼ばれる

洗面所も交渉の場になります。

実は、家計は全てパオラが仕切っていて、ライモンドは家計が苦しいことをあまり知りません。そのため、私に前貸しを頼むときはこっそり呼び出してきます。

ライモンドが買い物に行っていて家にいない時、いつもとは違う様子で部屋にやってくると「あ、前貸しかな」ってよく勘付きました。また、みんなでリビングにいるときは、突然「ゆうさん(本当は私の名前)、ちょっとこっちに来て」と呼ばれました(笑)


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もともと家賃が安すぎました

美味しい料理がついて450ユーロの家賃

前貸しをしていた時、かなり不安ではあったものの、そもそも家賃がめちゃくちゃ安かったのです。私のホームステイ先は、

  • 水道・光熱費・ガス代
  • Wi-Fi料金
  • 昼食・夕食の2食

これが全てセットで、450ユーロ(約56,000円)/月 という破格の安さ!特にエージェントなどを通さなかったので、けっこう費用を抑えることができました。もとが安すぎたので、ある意味、前貸しが必要になるのも仕方ない、と思っている面もありました。

また、パオラとライモンドを含めた親戚たちは、いつも私に優しく接してくれて、もしここで暮らしていなかったら、自分のローマ生活は全く違うものになっていたと思うほど、お世話になりました。


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その辺りの事情も含めて、私の両親は非常に理解を示してくれました。そして、家賃450ユーロ以外のプラス・アルファの金額も送金をしてくれて、「時には買い物などでお金を出してあげな」と色々と助けてくれました。

さいごに

ほとんどのホームステイ先では参考にならないような記事ですが、ちょっと面白かったので共有させていただきました。

繰り返しますが、今では笑い話。そして、パオラとライモンドのおかげで、私はローマでの暮らしを最高なものにすることができました。全ての人に感謝したい気持ちになります。

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