イタリア全土の祝日と各都市の祝日をまとめています。主な祝日は以下のとおりです。
日付 | 祝日一覧 |
---|---|
1月1日 | 新年(お正月) |
1月6日 | 公現祭 |
3~4月 日曜日 | 復活祭 |
復活祭後の月曜日 | 復活祭月曜日 |
4月25日 | 解放記念日 |
4月25日 | ヴェネツィア |
5月1日 | メーデー |
6月2日 | 共和国記念日 |
6月24日 | フィレンツェ、ジェノヴァ、トリノ |
6月29日 | ローマ |
7月15日 | パレルモ |
8月15日 | 聖母被昇天祭 |
9月19日 | ナポリ |
10月4日 | ボローニャ |
11月1日 | 万聖節 |
12月7日 | ミラノ |
12月8日 | 聖母受胎祭 |
12月25日 | クリスマス |
12月26日 | 聖ステファノの日 |
それぞれどんな日で、どんなお祝いを行うかについて、見ていきましょう。
イタリア全土の祝日
1月1日:新年
言わずもがなの元旦。日本でいえばお正月。日本の元旦は家族との時間を過ごすことが多いですが、新年の過ごし方は宗教的な影響を受けていないためか、比較的自由です。
特に若者は友達とワイワイして過ごして大騒ぎです(楽しい思い出...)。なお、イタリアの正月休暇はこの日だけでお店やオフィスは2日から営業します。
新暦(グレゴリウス暦)という太陽暦が制定される前は、それぞれの国が独自のお正月を祝っていました。ちなみに1580年にローマ教皇グレゴリウス13世が定めた新暦(グレゴリウス暦)における1月1日こそが元旦であり、イタリアがこの日を定めた、とも言えますね。
1月6日:公現祭
「公現祭っていったいなんぞや」という感じかもしれませんが、キリスト誕生のエピソードに深く結びついています。
イエス・キリストの誕生を祝い東方三博士が、星の落ちたところを頼りにキリストの元へ辿り着いた日(1月6日頃と言われています)を祝う祝日です。パレードなどがこの日には行われますが、この日以降クリスマス期間は終わり、片づけられます。
ベファーナ(Befana)というほうきに乗ったお婆さんが子供が眠っている間にこっそりお菓子を詰めた靴下を枕元に置いていく言い伝えがあり、今もお祭りに参加した子供はキャンディがもらえます。
3-4月の日曜日:復活祭
復活祭と呼ばれるパスクワですが、具体的には、処刑されたイエス・キリストが死後3日目に復活したことを祭る日です。毎年日付が変わりますが、「春分の日の後、最初の満月の日の次の日曜日」です。満月が基準になるので、毎年振れ幅が大きいんですよね。
復活祭本番の1週間前から行事が始まりますが、この週を「聖週間」と呼び、特に聖木曜日と聖金曜日は、教会でのミサも特別な内容に変わります。聖木曜日から、教会の鐘は鳴らさない、聖金曜日からはお肉を食べません。断食をする方もいます。ローマのホームステイ先のマンマは断食はしませんでしたが、お肉は一切食卓に出しませんでした。
復活祭の翌日:復活祭月曜日
パスクアの翌日の月曜日は、ルネディ・デッランジェロ(Lunedì dell’ Angelo)、通称パスクエッタ(Pasquetta)。
パスクアで大騒ぎした後も、少しのんびりしましょうね、という休みの日です。家族や友人と出かけたりする人が多いですね。
4月25日:イタリア解放記念日
4月25日は第2次世界大戦中のドイツ軍によるイタリア占領地域を解放した祝日であり、Festa della Liberazioneと呼ばれます。
イタリアは日独と枢軸国を形成し大戦に突入しましたが、南イタリアは連合国軍のシチリア島上陸後に降伏。その後はドイツ軍が連合国軍のイタリア北上を阻止するため北イタリアから進駐し、領土を占領しました。
このドイツからの解放が行われたのが1945年4月25日だったので、この日が記念日となりました。アメリカを中心とした連合国側に取り込まれたイタリアにとって、ドイツからの解放を祝日とする方がより相応しいという判断だったのでしょう。
ミラノを 始めとする各都市ではイベントが開かれ、人々はパレードなどの行進などを見て楽しみます。
5月1日:メーデー
日本人にも比較的馴染みがあるかもしれませんが、5月1日はフェスタ・デル・ラヴォーロ、つまり労働者の日です。各地で労働組 合が主体となってコンサートや演説などが開催される祝日です。
昔は公共施設やスーパーなどはほぼ休んでいましたが、近年では多くのお店が営業しています。
6月2日:共和国記念日
第2次世界大戦後、イタリアは王政を廃し共和政に移行することを、国民投票によって決定しました。1869年のイタリア建国から王政を取ってきたイタリア半島にとって、これは政治的に非常に重要な転換期でした。
この国民投票は1946年の6月2日におこなわれたことから、この日を忘れないように祝日として制定されました。この日、首都のローマでは祝典や盛大なパレードが開催され、イタリア全土でもイベントが開催されます。
私の友人はイタリア軍に入っていたので、この日テレビを見ていたら2秒くらいだけ放送に写っていて、写真を撮って後で送ってあげました(笑)
8月15日:フェッラゴスト
イエス・キリストの母・聖母マリア様が天に昇り召された日(聖母被昇天祭)を記念した祝日です。別名「Assunzione della Beata Vergine Maria(アッスンツィオーネ・デッラ・ベアタ・ベルジネ・マリア)」と言われます。
11月1日:諸聖人の日
11月1日は、全ての聖人を記念する日。イタリアにはとにかく聖人が多いのですが、彼らを讃える祝日です。
ちなみに11月2日は「死者の日」として先祖を供養する日であり、日本の彼岸やお盆に当たります。この前後の期間には人々は故人の好きな花を捧げて御墓参りに行くのが一般的ですが、若い人は通常の祝日として日曜日のように過ごします。
12月8日:無原罪の聖マリア御宿り
Immacolata Concezione(インマコラータ コンチェツィオーネ)「無原罪の聖マリア御宿り」と呼ばれる祝日です。
人間は、神が初めて作った人間であるアダムとイブの過ちのために、「罪の性質」を持って生まれるとされています。しかし、キリストの母マリアは、罪を持たずに、その母アンナのお腹に宿ったのです。その日を無原罪の御宿りの日といい、キリスト教徒に祝われることになりました。
イタリアではこの日以降、街や各家庭がクリスマスの準備に忙しくなります。プレゼピオを飾り、イルミネーションをし、全体的に気分がウキウキしてきます。
12月25日:クリスマス
カトリック教徒にとって、とても大切な祝日です。11月中旬から始まるクリスマスマーケットや、無原罪の御宿りの日を終え、いよいよこの日は、イエス・キリストの誕生を祝います。
きっとみんな大好きクリスマス。イタリアではナターレ(Natale)と呼び、この日は家族と大切な時間を過ごし、食事をします。また大聖堂で行われるミサへ行くのが一般的です。そのためこの期間は市内のお店や交通機関でさえも休みになります。
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12月26日:聖ステーファノの日
Natale(ナターレ)の翌日、12月26日はSanto Stefano(サント ステファノ)「聖ステーファノの祝日」です。この祝日はクリスマスと並んで連休になります。
聖ステファノとは、イエス・キリストの12人の弟子に仕えていた7人の奉仕者のうちの1人でしたが、殉職してしまった聖人です。
イタリア各地の祝日
イタリアの聖人の数は半端ではありません。それは単純にカトリック教徒が多いからという理由だけではなく、信仰心が土着の英雄伝説や立派な人物に対する尊敬心と結びつき、彼ら・彼女らの死後に聖人化されるケースが圧倒的に多いからなのです。
以下紹介するのは、誰もが知っている聖人とそれに結び付く都市のみですが、イタリア全土に広がる聖人信仰はもっともっと強いものとぜひ覚えておいてください!それは土地への帰属意識やイタリアの土着性にもつながっているのです。
4月25日:ヴェネツィア
ヴェネツィアといえば、聖マルコといっても過言ではないほど、深く結びつく聖人。ヴェネツィアで最も有名なサン・マルコ大制度には、彼の聖遺物が祭られています。また新約聖書を記した聖人として知られています。
6月24日:フィレンツェ、ジェノヴァ、トリノ
ヨルダン川で人々に洗礼を施し、イエスにも洗礼を施した聖人とされる聖ヨハネ。6~8世紀までフィレンツェをおさめていたロンゴバルド族の守護聖人であった聖ヨハネがそれぞれの都市の守護聖人として残ったとされています。
6月29日:ローマ
ガリラヤ湖で弟アンデレと漁をしている時に、イエスに声をかけられ、最初の弟子になった聖人が聖ペテロ、そしてイエスの死後、天からの光とともにイエスの声を聞き、回心しキリスト教徒となった聖人が聖パウロです。
ヴァチカン市国の聖ピエトロ大聖堂とローマ市街地郊外の聖パウロ大聖堂の2つは、ローマで最も重要な教会とされています。
7月15日:パレルモ
聖ロザリアは、ヨーロッパでペストが大流行していた時代、パレルモで突如として現れ、疫病の流行は終息させたという女性。彼女の遺骸が眠る場所には、パレルモ大聖堂が築かれています。
9月19日:ナポリ
ナポリで司教の座につき、キリスト教を弾圧され迫害を受けるも無傷で帰って来たとされる伝説ともつ聖人である聖ジェナーロが守護聖人となっています。
10月4日:ボローニャ
ボローニャ以外の土地で決してポピュラーな聖人ではありませんが、聖ペトロニウスは、ボローニャ司教として教会を創建し、異民族に略奪されたボローニャの復興を推し進めた人物です。
12月7日:ミラノ
ミラノといえば聖アンブロージオ。ミラノの大司教を務め、=ギリシャなどビサンティン(東方)の教父たちの思想を学び、イタリア教会の神学の水準を大変高めました。
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