珍しいイタリアの国家資格があった!?

珍しいイタリアの国家資格があった!?

mina

学生時代のイタリア旅行を機に、イタリアの虜に。食べること、飲むこと、自然が大好き。なにより明るいイタリア人が大好きです。独学でイタリア語を学び、フィレンツェへ短期語学留学。現在も子育てしながらイタリア語学習継続中。

日本でも国の合格基準が設けられている国家資格がたくさんあります。お医者さん薬剤師さん、特殊な技術を必要とするお仕事などですが、『国家資格』と聞くだけで難しそう。。。と感じてしまいます。

やはり国の基準を突破することは簡単ではありませんよね。では、イタリアの国家資格とは何があるのでしょうか?今回はイタリアの珍しい!?国家資格をご紹介します。

珍しい?!イタリアの国家資格

ソムリエ

ワイン大国イタリアらしい資格のソムリエは国家資格です。年齢制限など受験資格は特にありませんが、イタリアソムリエ協会の運営するコースを受講しなければいけません。

ワインの長い歴史やたくさんある種類など、覚えることが多く初心者には難しそうですが、このコースはそんな初心者でもしっかり知識を植え付けてくれる素晴らしいコースだそうです。

ソムリエと言えばテイスティングというイメージが強いですが、味だけではありません。試験内容には筆記試験、実技試験、口頭試問、食べ物の食べ合わせ等も出題されます。ちなみにお隣のフランスも国家資格です。

日本でもソムリエの資格を取得することは可能です。唯一の受験資格は、日本でサービス業を5年以上経験していることです。2004年に政府公認のイタリアソムリエ協会と在日イタリア大使館の後援・認定を受けて日本人向けにソムリエ養成コースを開催した「Accademia dei vini」が設立されました。

今まではイタリアへ行って資格取得の為に勉強しなければいけませんでしたが、Accademia dei viniが設立されたことで参加しやすい環境ができました。試験はすべて日本語なのでイタリア語を勉強しなくても受験可能です。日本ではソムリエの資格は民間の試験になりますので国家資格ではありません。

文化財修復士

こちらもイタリアらしい職業ですね。イタリアは世界で一番世界遺産の多い国でもあるので、街を歩いていると歴史を感じる建物がたくさんあります。

文化財修復士とは、名前の通り歴史ある文化財を後世に残すために修復を行う仕事で、その対象は彫刻や絵画など多くの種類があります。手を加えるのではなく、劣化を遅らせる為に保存することがとても大切で、修復をする作業場は湿度50%で気温20℃に保たれているそうです。

絵画の場合は日光に当てないことも保存状態に大きく関係するそうです。日本でも学べる場はありますが、やはり海外へ勉強しに行く方が多いので留学コースにも含まれています。日本人でイタリアの文化財修復士の国家資格を取得された方もいらっしゃいます。

ちなみに、日本でも話題になったスペインの文化材修復失敗のニュースをご存知でしょうか?修復というレベルではなく、顔つきや表情までもが原型とかなり変わってしまったという驚きのニュースです。実はスペインには文化財修復士の資格はありません。素人でも絵が好きだったら出来てしまうとも言われているくらいです。

スペインのプラド美術館にお勤めの唯一の日本人、和田美奈子さんという女性がいます。彼女は紙作品の修復士として働いており、「どこを直したのかわからないような修復をほどこすこと」が修復士として腕の見せ所だと仰っていました。さすが、プロフェッショナルの言葉ですよね。確かにプロの知識がない方の手によって価値ある歴史的財産が失われてしまうのはいたたまれませんね。

ジャーナリスト

新聞や雑誌など取材をしながら記事を作成するジャーナリストにも、イタリアでは国家資格があります。試験を受けるには、2年課程の修士資格を持っていないといけなかったり、ジャーナリズム専門の教育機関で2年課程のコースを修了していないといけなかったりと受験資格があります。

以前は約2年の見習い期間があれば試験を受けることはできましたが、改定され大学教育の基礎学力も必要になりました。試験に受かって、はじめてジャーナリストとして新聞社や出版社などと雇用契約ができるようになります。

さいごに

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いかがでしたでしょうか?歴史や文化が違うと国が定める資格まで違いました。ワインソムリエと文化財修復士はイタリアらしい資格でしたが、如何にイタリアが歴史や文化、誇りを大切にしているかが伝わってきました。

また、そうゆう想いのある方たちがいるからこそ、今でも魅力あふれるイタリアで居続けているんでしょうね。さすがイタリア!!

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