シチリア、兄弟で働くお菓子屋のピスタチオ・クラウドファンディング!

シチリア、兄弟で働くお菓子屋のピスタチオ・クラウドファンディング!

Kanba

イタリアの海沿いの小さな町に住んでいます。イタリアの大学を卒業後、日本の企業のために働いています。天気が良い週末は砂浜で筋トレしたり、庭でオーガニック野菜を作ったりしています。主に穀物・野菜・果物・ナッツ類を食べて暮らしています。

ピスタチオの木を植える資金集め

シチリア島アグリジェントの都市カニカッティを拠点に活動しているお菓子屋「Bonfissuto(ボンフィッスート)」。

「Bonfissuto(ボンフィッスート)」のオンラインショップ / 公式サイト

ボンフィッスート兄弟(ジュリオ氏とヴィンチェンツォ氏)が開いた同店は、シチリアの伝統的なスイーツであるカンノーロ(リコッタチーズやフルーツの砂糖漬けなどを詰めた筒状のお菓子)、カッサータ(チョコレートやフルーツなどを利用したアイスクリームケーキ)はもちろん、パネットーネ(クリスマスによく食べられるドーム型のフルーツケーキ)やコロンバ(復活祭の鳩の形をした菓子パン)などの発酵菓子でイタリア国外でも人気のあるお菓子屋です。

「Bonfissuto(ボンフィッスート)」のイチゴ入りパネットーネ / 公式サイト

また、ピスタチオ、アーモンド、オレンジなどシチリア島の特産品を利用したスプレッドのラインナップも充実しています。

そんなシチリア島から世界に向けて活動しているボンフィッスート兄弟ですが、新たなプロジェクトを立ち上げたということです。

目標は1万5000ユーロ(約200万円)!

「FUSTUQ(フストゥック)」(アラビア語でピスタチオの意味)と名付けらたプロジェクトで、「Bonfissuto(ボンフィッスート)」の生産工場に隣接する土地に70本のピスタチオの木を植えるという計画です。

「FUSTUQ(フストゥック)」プロジェクト紹介動画 / Youtube

LA SICILIAの記事によると、ボンフィッスート兄弟は、生産工場の土地で30本のピスタチオの木を発見したそうで、そこから興味が湧いて調べてみたところ、1970年代以前にはこの地域一帯でピスタチオの栽培が盛んだったことが判明したそうです。

なお、1970年代頃からはブドウ畑に取って代わられたということです。

ピスタチオ入りのパネットーネやコロンバが「Bonfissuto(ボンフィッスート)」の看板商品でもあり、新たに70本のピスタチオの木を植えて自ら原材料も生産する製菓会社になるという意気込みでこの「FUSTUQ(フストゥック)」プロジェクトを開始したということです。

ボンフィッスート兄弟は、そのための資金提供をクラウドファンディングのKickstarterを通じて2020年7月30日から9月8日までの期間、世界中に呼びかけました。

目標金額は、1万5000ユーロ(約200万円ほど)に設定して資金調達を開始し、この試みは地元のメディアなどでも取り上げられたようです。

結果は?

プロジェクト紹介動画も作成し、また、カニカッティの自治体や地元メディアなどの協力もあったようで、1000人以上の支援者から資金提供を受けて、予想以上の金額(およそ6万5000ユーロ / 約800万円ほど)を集めることができたということです。

支援者の多くはイタリアからだそうですが、アメリカ、スウェーデン、オーストラリアなどイタリア国外からも協力を得られたそうです。

資金提供者への見返りギフト

製菓会社が原材料も生産するというこのクラウドファンディングは大成功を収めましたが、支援者には資金提供金額によって「Bonfissuto(ボンフィッスート)」からお礼のギフトが贈られるようになっています。

27ユーロから30ユーロまでの資金援助者には、ピスタチオ入りのパネットーネ1個、31ユーロの資金提供者には、ピスタチオ入りのパネットーネ1個と板チョコ、もしくは、ピスタチオ入りのボンボンが贈られます。

「Bonfissuto(ボンフィッスート)」のピスタチオ入りパネットーネ / 公式サイト

また、32ユーロから53ユーロまで(ピスタチオ入りのパネットーネ1個+アーモンド菓子)、54ユーロから149ユーロまで(ピスタチオ入りのパネットーネ2個)と寄付金に応じて様々な「Bonfissuto(ボンフィッスート)」の商品が提供されるようになっています。

そして、1000ユーロ以上の資金提供者には、「Bonfissuto Experience(ボンフィッスート・エクスペリエンス)」が贈られます。

この「Bonfissuto Experience(ボンフィッスート・エクスペリエンス)」は、植えられるピスタチオの木の幹に支援者の名前が入ったプレートが取り付けられ、「Bonfissuto(ボンフィッスート)」の公式サイトやSNS上で資金提供者に感謝の意を表すプランになっています。

また、1000ユーロ以上の資金支援者は、自分のピスタチオの木と「Bonfissuto(ボンフィッスート)」の生産工場を訪問し、パネットーネを実際に手で触りながら生地作りから商品完成までの行程を見学できるようです。

さらに、1日分の食事と宿泊も提供され、もちろん、「Bonfissuto(ボンフィッスート)」の商品(トリュフ入りパネットーネ4個、ピスタチオ入りパネットーネ4個、18カラットパネットーネ4個)も贈られることになっています。

「Bonfissuto(ボンフィッスート)」の18カラットパネットーネ / 公式サイト

さいごに

クラウドファンディングで資金調達に成功したシチリア島のお菓子屋「Bonfissuto(ボンフィッスート)」をご紹介しました。

今後もグローバル化した世の中で資金を世界中から集めて、その支援金によって地元の産業などを活性化しようとする試みにますます注目が集まってきそうです。


写真だけでも最高
【シチリア】死ぬまでに泊まりたい!最高級5つ星ホテル10軒

続きを見る

参照

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

Kanba

イタリアの海沿いの小さな町に住んでいます。イタリアの大学を卒業後、日本の企業のために働いています。天気が良い週末は砂浜で筋トレしたり、庭でオーガニック野菜を作ったりしています。主に穀物・野菜・果物・ナッツ類を食べて暮らしています。

-グルメ
-, , ,