イタリア、今も必要とされるエクソシスト

現在のエクソシスト(悪魔払い)の活動

イタリア国内には、ヴァチカンによって正式に認められた組織であるインターナショナル エクソシスト協会(A.I.E)に所属するエクソシストが240名、助手が62名も存在しているということです(Agensir.itのリッカルド・ベノッティ氏による2016年12月3日の記事参照)。

ただし、同協会に属さずにエクソシストとして活動している神父も存在しているそうで、正確な人数は把握できていないそうです。

ここでは、インターナショナル・エクソシスト協会や悪魔払いに関するマニュアル本などを中心に現在のイタリア社会の中でのエクソシストの存在についてご紹介していきます。

インターナショナル エクソシスト協会

インターナショナル エクソシスト協会(A.I.E / 正式名称:Associazione Internazionale Esorcisti)は、1990年初頭にガブリエレ・アモース(Gabriele Amorth)神父らを中心に設立されました。

同協会には、悪魔払いを行うイタリア人神父が多く所属しているそうですが、全世界で400名を超えるエクソシストが属しているということです。

なお、同協会の会員数は、全世界で800名以上にもなるようです。

インターナショナル エクソシス協会のサイト

このインターナショナル エクソシスト協会は、2014年に聖職者会議で正式に認められ、現在の同協会の代表は、ローマ教区のエクソシストであるフランチェスコ・バモンテ(Francesco Bamonte)神父が務めています。

なお、同協会は、神父のためにエクソシストに関する理論と実践の講義も開いているということです。

悪魔に憑かれた状況とは

Agensir.itのベノッティ氏の記事によると、主に下記の4つの状況によって悪魔に憑りつかれた兆候が現れるようです。

1.知らない言語を話す

2.知りえない秘密を語る

3.年齢、身体的条件を越えた力を発揮する

4.聖なるものへの嫌悪を示す

ただ、このような兆候が見られた場合でも、カトリック教会では、実際に悪魔払いの儀式を行う前に医師や精神科医の診断を仰ぐように定められているということです。

悪魔払いを追ったドキュメンタリー

イタリア国内では今もエクソシストを求める人々が多く存在するようで、2016年にはシチリア島でエクソシストの活動を行うカタルド(Cataldo)神父と彼のもとに集う人々の様子を捉えたドキュメンタリー映画『LIBERAMI(解放して)』が製作されています。

ドキュメンタリー映画『LIBERAMI(解放して)』 / Youtube

他の治療法では答えや原因が判明しない問題の治癒を求めてカタルド神父のミサなどに参加する人々。高齢者だけでなく若者がカタルド神父に助けを求めに来る様子も描かれています。

ドキュメンタリー映画『LIBERAMI(解放して)』 / Youtube

『LIBERAMI(解放して)』は、前近代と現代、宗教と冒涜の対比の中でエクソシストの実践と日常生活が出会う物語で、宗教に関するものではなく、宗教のあり方を問うドキュメンタリー作品だということです。

なお、フェデリカ・ディ・ジャコモ(Federica Di Giacomo)氏が撮ったこのドキュメンタリー映画に対して、インターナショナル エクソシスト協会は、カトリック教会によって確立された正式なエクソシストの活動を捉えた映画ではなく、本当のエクソシストの姿を描いていないとコメントしているようです。

エクソシストのためのガイド本

今なおエクソシストを求める声が広がる中で、正しいエクソシストの知識を提供する目的でインターナショナル エクソシスト協会監修の『Linee guida per il ministero dell’esorcismo(エクソシスト活動に関するマニュアル)』が2020年に出版されています。

同協会の会員の任務と経験をもとに同書は作成されたそうで、エクソシストに関する理論と実践に関する正しいガイドラインを提供しているということです。

『Linee guida per il ministero dell’esorcismo(エクソシスト活動に関するマニュアル)』 / A.I.Eのサイト

また、エクソシストが日々遭遇する困難な状況の対処法を改善するためにも同書は役立つようです。

さいごに

今も悪魔払いを行うカトリック教の神父たち。マニュアル本だけでなく、近年、エクソシストを養成するコースも設立されているということです。

カトリック教会としてもエクソシストを行う神父の人数を増やすようにしており、現代社会の中で原因不明の問題に悩まされる人々のためにますますエクソシストの存在が必要とされてきているようです。

参照

 

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Kanba

イタリアの海沿いの小さな町に住んでいます。イタリアの大学を卒業後、日本の企業のために働いています。天気が良い週末は砂浜で筋トレしたり、庭でオーガニック野菜を作ったりしています。主に穀物・野菜・果物・ナッツ類を食べて暮らしています。

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