イタリアの消費税ってこんなに高かったの?!知らなかった税金の話

イタリアの消費税ってこんなに高かったの?!知らなかった税金の話

mina

学生時代のイタリア旅行を機に、イタリアの虜に。食べること、飲むこと、自然が大好き。なにより明るいイタリア人が大好きです。独学でイタリア語を学び、フィレンツェへ短期語学留学。現在も子育てしながらイタリア語学習継続中。

昨年2019年に日本は消費税が10%へ増税されました。消費税が創設された1989年の3%から考えると10%はとても大きいものになりました。また、今回の増税は一律同じ消費税ではない軽減税率が適用されました。

少々複雑なシステムですが、ヨーロッパでは多くの国がこの軽減税率を適用しています。今回は、イタリアの税金についてご紹介します。

イタリアの税金のアレコレについて

税金の種類

所得税

イタリアの所得税は累進課税です。所得額に応じて税率が23%~43%と決まっています。一般的に個人事業者の場合、なんと収入の約半分を納めるそうです。

消費税

イタリアの消費税は付加価値税”IVA”と言います。(一般的にはVIAですが、イタリアではIVAと呼ばれます)現在の税率は22%で、ヨーロッパ諸国の中でも高いです。多くの商品やサービスにIVAが課せられていますが、日本と同じく生活必需品などの一部には軽減税率が適用されています。

日本の倍以上の税率ですが、イタリアではここ数年、増税の予算法が議題に上がっています。先送りになっていますがいつ増税が決まってもおかしくない状況です。

州税、市税、地方税

こちらも毎月給与より引き落とされます。日本と同じですね。ちなみに、お給料全体の約30%以上が税金として給料から引き落とされますが、町の公共交通機関や道路の補修に役立てる大切な資金になります。

ゴミ処理税

イタリアでは住んでいる市町村にゴミ処理税を払わなければいけません。家の広さなどで金額は各家庭で異なりますが年間100€~300€くらいです。生ごみ処理機や、ゴミ捨て用の分別箱を市民に配布している地域も多いので、ゴミ処理の税金も支払わなければいけません。

軽減税率とは?

まず軽減税率とは、購入する品物によって税率が軽減されることを指します。ヨーロッパでは軽減する際の基準となる標準課税率というものがあり、この基準の税率は各国で決めて設定しています。

イタリアの軽減税率は4%10%の2種類です。

軽減税率4%

食料品(野菜、パン、パスタ、牛乳、チーズ、バター、オリーブオイルなど)、本、新聞、医療器具など


軽減税率10%

食料品(米、小麦粉、卵、魚、肉、果物、ハム、砂糖など)、医薬品、映画、建物、電車賃、レストランなど

日本と違う点は、テイクアウトでも店内飲食でも税率が変わらない点です。また驚くことに、食料品の中でも軽減税率が適用される商品と課せられないものに分けられています。洋服や化粧品、車、電化製品、嗜好品などは、軽減税率0%で税率22%です。

パスタやオリーブオイル、チーズが軽減税率に適用されているのはイタリアらしいですね。混乱しそうな税率ですが、スーパーでは内税表記で分かりやすく、レシートに各商品の税率が印字されています。

ちなみに、一番高い税率はハンガリーの27%で、低い税率はルクセンブルクの17%です。各国が各々決めている基準ですから、税率はバラバラです。ただ、EUの規定で税率の下限は15%と決まっています。すなわち、EU諸国では消費税が15%以下の国はありません。

いつから消費税が始まったの?

最初にイタリアで消費税が創設されたのは、1973年に12%から始まりました。日本と同じくだんだんと上がり続け、1980年には15%、1997年には20%と上がり2013年から22%になりました。

イタリアでは大統領が変わると今までの税制までも変わってしまします。その為、固定資産税などの大きい税も昨年に比べて値上がったということもあります。

観光客の場合

旅行や仕事でイタリアへ訪れる私たちの場合、どのような税金を支払わなければいけないのでしょうか?

宿泊税

日本でも宿泊税を支払う地域もありますがイタリアも同じです。この宿泊税は国ではなく地方自治体が徴収し、街の景観維持等に使われています。日本円で数百円ですが、ホテルをチェックアウトした際に領収書を確認してみてください。

2019年から水の都で知られるヴェネツィアでは訪問税の導入が始まりました。多くの観光客が集まる人気の観光地の為、治安の維持やポイ捨てなどの問題解決に向け、導入がイタリアで初めて決まりました。繁忙期など時期によって金額は変わりますが、最大で10€課せられます。


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免税手続き

90日以内の滞在の場合に免税手続きができます。手続きは帰国時に行い、イタリアではローマとミラノの空港に窓口があります。合計金額の1割ほどが戻ってきます。(155€以上でないと手続きできません。)高い税金ですからイタリアで買い物を楽しんだ人は忘れずに行いましょう。

さいごに

国の様々な背景や将来の為ではありますが、イタリアの税率22%には驚いた方は多いのではないでしょうか?物価が高い隣国スイスは消費税8%。消費税だけでなく一般的な税金が高いイタリアから逃れるため、住民票だけスイスに移しイタリアで生活する人もいるそうです。

世界の中で日本の消費税は低い方ですが、高齢化社会・人口減少傾向の日本もヨーロッパの国に並ぶほど税率が上がることもありえそうですね。


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