イタリア映画 特集記事
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ローマ/フィレンツェ/ヴェネツィア/シチリア を舞台にした映画
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『郵便配達は2度ベルを鳴らす』(1942)/『無防備都市』(1945)/『戦火のかなた』(1946)/『揺れる大地』(1948)/『アモーレ』(1948)/『ストロンボリ、神の土地』(1950)/『ベリッシマ』(1951)/『ウンベルトD』(1952)/『カビリアの夜』(1957)/『アッカットーネ』(1961)/『輝ける青春』(2003)/『人生、ここにあり!』(2008)/『暗黒街』(2015)/『おとなの事情』(2016)/『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』(2017)/『LORO 欲望のイタリア』(2018)/『シチリアーノ 裏切りの美学』(2019)
ずっと観たかったのに、なかなか動画配信サービスでの配信が開始されず、なかなか観ることができなかったイタリア映画『人生、ここにあり!』が、Amazonプライムビデオで配信開始していました!
この記事は、映画を観る前、もしくはネタバレは苦手!という方に読んでいただく記事です。
こんな映画です
- イタリアで超大ヒットを記録した笑って泣ける作品
- 実話に基づいた、1983年の社会協同組合を取り上げています
- みんなで力を合わせ頑張って仕事に向きあう様が素晴らしい
映画情報
・原題:Si può fare
・制作年:2008
・制作国:イタリア
・監督:ジュリオ・マンフレドニア
・出演:クラウディオ・ビジオ、アニータ・カブリオーリ、ジュゼッペ・バッティストン
コメディ映画『人生、ここにあり!』について
あらすじ
1978年、バザリア法という法律の制定により、イタリア国内の精神病院が次々に閉鎖されました。「自由こそ治療だ!」という考え方から、それまで病院に閉じ込められ、薬を過剰投与され、活気を無くし、人としての扱いを受けていなかった患者たちを、一般社会で生活させるため地域に戻すことになりました。
彼らの受け皿になったのが、社会協同組合。1983年、ミラノ。労働闘争に熱心だった主人公のネッロは、あまりにも急進的な思想のために問題児扱いされ、精神病院廃止によって退院させられた人々が集う「協同組合180(Cooperativa 180)」にマネージャーとして配属されることに。
精神を病んだ人びとの言動に、初めはおっかなびっくりなネッロでしたが、労働組合が大事にする「みなで考え、みなで行動する」という原理原則に基づき、これまでの無為で退屈な仕事から、全員がやりがいを感じられる仕事へ変え、それぞれが幸せになれる環境を整えました。
だが事業が大きくなっていくうちに、ネッロの心と彼らの心の間に溝が生まれていき、ある事件をキッカケにして、事業は解散の危機に陥る。果たしてネッロは、全員を救うことができるのか―――。
監督はジュリオ・マンフレドニア
この映画の監督は、ジュリオ・マンフレドニア(Giulio Manfredonia)。1967年11月3日生まれ、ローマ出身の監督です。
日本に輸入されているのは、この『人生、ここにあり!』だけですが、イタリア国内ではコメディが得意な監督して、映画やドラマなどで活躍し続けています。賞などを獲得した大きな業績はこの映画のみ。
ただ、まだ50代と映画監督としては非常に若いので、今後もどんどん面白い作品を生み出してくれるのではないでしょうか!
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キャストはコメディ俳優たちを起用
主人公 ネッロとして、心に闇を抱える組合員たちと語り合い、より良い仕事を探そうと奮闘するネッロ役には、『ようこそ!大統領』でも主演のクラウディオ・ビジオ、バザリア法に共感し、薬剤投与を減らした治療に賛成するフルラン医師の役にはジュゼッペ・バッティストンと、イタリアのコメディ映画でよく見るキャスト。
特にバッティストンは、この映画ではかなり若く見えます!近年、『おとなの事情』や『私は神』でも面白い役を担っていましたが、けっこう印象が違いますね。
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また、ネッロのパートナーで、アパレル業界で奮闘するサラ役には、アニータ・カプリオリが入ります。
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映画の見どころ
1.実話に基づいた物語
この話、実話に基づいた物語です。バザリア法というのも本当の法律ですし、この「協同組合180」も実際に存在する「ノンチェッロ協同組合」組合をモチーフにしています。約600人の組合員がおり、うち30%の人が精神障がいを抱えているそうです。
ちなみに、ネタバレできませんが、劇中に出てくるある衝撃的なシーンは、本当のことだと知ってびっくりしました...。
2.愛くるしいキャラクターたちがステキ!
キャラクターの多さは、同じくコメディ映画として大成功を収めた『いつだってやめられる』シリーズにとっても似ていますが、それぞれのキャラクターの立ち具合で言ったら、それ以上だと思います。
みんなそれぞれに障害を持っています。自閉症の人、コミュニケーションがうまく取れない人、極度な神経質の人、全てに無気力な人、妄言ばかりの人、幼児退行してしまっている人など、本当に様々です。
ただ、彼らそれぞれが力を合わせ、一つの目的を達成しようと奮闘する力強さ、素晴らしさ。彼らはマネージャーのネッロがいなくても、自分の仕事をやり遂げ、さらにはネッロを必死で救おうとします。
胸打たれる、という言葉では軽率過ぎるのかもしれませんが、1980年代の時代背景を考えると、こうした活動を実現できたことは、本当にすごいことだと感じます。
3.私たちは、周りの人びとと支え合えているだろうか?
これは約40年前の実話を基にしています。2020年に生きる今、日本に住む私たちは、人びととの心理・身体的な距離のどちらもが遠くなっているように感じています。
イタリアは過去の歴史などもあり、労働組合や社会組合など、上の力から生まれたものではなく、下の力から生まれた人びとによる地域共同体の力がとても強い傾向があります。そのため、「この映画で観られるような強い繋がりが日本にも必要だ!」と考えるのは軽率でしょう。
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ただそれでも、この映画を観て彼らから学ばされることは多いと感じています。例えば、障害を持つ人との付き合い方、という視点を超えて人との付き合い方についてです。
また、自分の気持ちに正直であること、怖くても壁にぶつかりながら自分を変えていくこと、支えてくれる人がいると気づくこと、なども挙げられると思います。
さいごに
ネタバレ無しで、『人生、ここにあり!』を紹介させていただきました。私は単なるコメディ映画として、特に事前情報も全く入れず「イタリア映画を観よう」という意気込みで視聴しましたが、とても得るものが多かったと思います。
こんな映画です
- イタリアで超大ヒットを記録した笑って泣ける作品
- 実話に基づいた、1983年の社会協同組合を取り上げています
- みんなで力を合わせ頑張って仕事に向きあう様が素晴らしい
映画情報
・原題:Si può fare
・制作年:2008
・制作国:イタリア
・監督:ジュリオ・マンフレドニア
・出演:クラウディオ・ビジオ、アニータ・カブリオーリ、ジュゼッペ・バッティストン
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