イタリア、コロナ下の食料品購入傾向の変化とは

イタリア、コロナ下の食料品購入傾向の変化とは

Kanba

イタリアの海沿いの小さな町に住んでいます。イタリアの大学を卒業後、日本の企業のために働いています。天気が良い週末は砂浜で筋トレしたり、庭でオーガニック野菜を作ったりしています。主に穀物・野菜・果物・ナッツ類を食べて暮らしています。

見直される食生活スタイル

新型コロナウイルスの感染拡大により、全国的なロックダウンを実行する羽目になったイタリア。その後も第2波、3波への対応に追われ、部分的な行動制限などの措置を出さざるを得ない厳しい状況。

自由な移動が制限されるという多くの人が経験したことがない過酷な現状の中で、生きていく上で不可欠な食事、食生活はどのような影響を受けているでしょうか。

ラスト・ミニッツ・マーケット(Last Minute Market)が実施した廃棄物チェック(Waste Watcher)の調査結果をもとにコロナ下の食料品購入動向の変化を見てみます。

廃棄物チェック(Waste Watcher)のサイト

なお、同団体は、2020年に「地中海食」がユネスコの無形文化遺産に登録されて10周年を迎えることを受けてこの調査を行ったということです。

豆類や果物、野菜などの生鮮食品を好む傾向

 2020年3月からイタリア全土で実行されたロックダウン後に10人中4人が以前の食生活を見直し、10人中6人が古くからの健康的な「地中海食」に影響を受けた栄養管理(生鮮食品、たくさんの新鮮な果物と野菜、豆類、植物性たんぱく質の摂取など)を好むようになったということです。

具体的には43.5%の回答者が以前より新鮮な野菜を多く購入するようになったと答えており、果物に関しても43.1%が新鮮な物をより多く購入していると述べています。

スーパーの野菜・果物売り場の様子

また、豆類も36.8%が以前よりも多く購入するようになり、60.3%が小麦粉とドライ・イーストなどの酵母をもっと買うようになったと述べています。

スーパーの豆類売り場の様子

ロックダウンにより自宅待機生活を余儀なくされ、多くの人々が日々の食事により注意を払う傾向があり、家にいる時間を利用してパン、ケーキ、ピザなどを手作りする家庭も増えたようです。

さらに、アンケート回答者の33%が、急な生活習慣の変化に伴うストレスや不安を和らげるためにお菓子やチョコレートなど甘いものを食べるようになったということです。

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精肉から鮮魚へ、レトルトから手作りへ

 自宅で働くテレワークが普及したこともあり、58.6%の回答者が以前よりも多くの時間を料理に費やすようになったと答えています。

また、肉よりも魚を購入する傾向(38%)があり、レトルト食品など出来合い料理への関心も低下(27%)しており、テイクアウトも5人に1人が時折利用するだけという調査結果が出ています。

スーパーの鮮魚売り場の様子

仕事に追われてゆっくりと家で料理を作ることもできなかった人々が、時間が空いて自分たちで、または家族一緒に料理するようになり、健康により気をつけ始めたという面もあるのかもしれません。

食品廃棄物は減少

58%の回答者の食料品の購入量は増加しているにもかかわらず、2人に1人(51.6%)のイタリア人が、家庭での食品廃棄物量は減少していると述べています。

特に、43.2%の人々が小麦粉と酵母の食品ロスが減ったと回答し、また、食事の残り物の廃棄も少なくなり(45%)、10人に4人が肉類、牛乳の廃棄が減ったと答えています(ボローニャ大学の農産-食品科学技術学部、Distal Università di Bologna/SprecoZeroの調査結果)。

スーパーの小麦粉売り場の様子

生活リズムが変わり家にいる時間が増え、日常生活の無駄や浪費により目を向ける、または向けざるを得ないようになったようです。

変わる買い物の仕方

10人に6人のイタリア人が食料品の買い方を変えたと述べています。25%の回答者は、購買力の低下もあり、食料品の価格を気にするようになったようですが、18%は、食べ物の品質を重視するようになったということです。

10人に1人が小さな小売店で食料品を買うようになり、9%がオンラインショッピングを通して食品を購入するようになったようです。

買い物リストも2人に1人(47.2%)が利用するようになり、20%がそのリストを体系的に使うようになったと述べています。また、2人に1人が以前よりも家族で食べる料理のために賞味期限が長い食品や材料(ラザニア用のパスタやフルーツの缶詰めなど)を購入するようになったということです。

2020年3月からのロックダウンの時には、スーパーなどで人数制限が行われ、駐車場などに買い物客の長蛇の列ができました。長時間並ぶのを避けるために家の近くの小さな食料品店などで買い物をする人も増えたように思います。

また、不急不要の外出ができず、効率良く買い物を済ませるために買い物リストを利用する人々も多くなったようです。

さいごに

健康的で食品ロスにも配慮した古くからの「地中海食」の生活を送ることは、1週間あたり1人につき7.28ユーロ(約900円)も食費が安くなるということです。一般的な食費が1週間あたり1人につき53.55ユーロ(約6600円)で、「地中海食」の場合は、46.27ユーロ(約5700円)になるようです。

Ansa.itの記事によると、ラスト・ミニッツ・マーケット(Last Minute Market)廃棄物チェック(Waste Watcher)キャンペーンの発案者であるアンドレア・セグレ(Andrea Segrè)氏は、現在の食品システムは人々の健康だけでなく、食品が生産される環境にも問題を引き起こしているため、この廃棄物チェック(Waste Watcher)調査データは重要だと述べています。

農業が、温室効果ガス排出量の30%を占め、天然資源の搾取と浪費の70%を占めているともセグレ氏は述べています。

また、セグレ氏は、持続可能な食生活が、食の安全を保証し、健康的なライフスタイルを促進し、食品の無駄と浪費を避け、環境への悪影響を減らし、現在および将来の世代の生活全般を改善することに貢献する必要があるとも語っています。

さらに、持続可能な食品生産システムの達成と食品ロスの削減は、世界的な食糧難や貧困と戦うためにも不可欠だとも述べており、日々の食生活(食品購入から食品廃棄まで)の選択が今後ますます重要になってきています。

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