テレビで海外旅行者が”こんなに日本で英語が通じないとは驚いた”とインタビューで答えていました。日本の英語レベルの低さは何年も前から言われており、2020年から全面的に小学校で英語が必修科目となりました。
”ゆとり教育”から”脱ゆとり”など子供への教育改革が行われていますが、イタリアの教育をご存じでしょうか?なんと驚くことに、日本では当たり前の多くのものがイタリアの学校には”ない”ものばかりでした。今回は、”日本と全く違う!イタリアの学校・教育の違い”をご紹介します。
義務教育
仕組み
日本の義務教育は12年ですが、イタリアはEUの規定により6歳からの10年間が義務教育と定められています。ですがイタリアの学校制度の場合、小学校は6~10歳の5年間、中学校は11~13歳までの3年間、高校は14~18歳までの5年間です。
卒業試験
中学3年生の時に、国の卒業試験を受けなければいけません。難しい試験ですが、合格しなければ中学校を留年することになります。筆記試験だけでなく、口頭試験もあるので実力がなければ合格することは難しいです。
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驚きの違い!
フルタイム?
小学生でフルタイムとパートタイムがあります。もちろん仕事の話しではありません。学校にいる時間を選ぶことができます。
フルタイム場合、1日8時間学校で過ごします。通う日は、週5日で週40時間。給食を食べて午後の授業を受け、4時過ぎまで学校にいます。パートタイムの場合は、週24時間~30時間で午後1時過ぎに下校します。勉強科目を選択できたり、アクティビティを追加したりなど、学習内容は自分で選ぶことができます。(学校でいくつかのコースが決められています)
登下校
日本のような子供だけの登校や、近所の子たちとの登校班もありません。イタリアでは親が学校まで毎日送迎します。スクールバスがある学校以外は、小学生まで毎日の登下校です。学校前の道は送迎の車で渋滞することは日常茶飯事です。
教育の違い
日本とイタリアの教育の違いは”自主性”です。日本ではみんなと同じ教科を学び、”協調性”を重視した教育ですが、イタリアは”自主性”を重視しています。上記で述べたパートタイムを選ぶ子供たちは、学ぶ科目を選択できます。
裏を返すと、嫌いな科目を避ける選択をすることができます。また、自分の好きなことを勉強できることは、高校の選択に影響します。イタリアの高校は、デザインや建築など専門分野ごとに学校があり、日本の専門学校の位置づけになります。
バランスよくいろいろな科目を勉強するのではなく、好きなことの興味・才能、個の力を伸ばし育てるのがイタリアの教育ということです。
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○○がない?!
入学式・卒業式
進級や仲間との別れなど、日本では当たり前の行事ですがイタリアにはありません。私たちにとっては節目の行事ですし、親にとっても子供の晴れ姿を見る機会なので、イタリアでこの行事がないのは少し残念な気もします。ですが、発表会や参観日のようなイベントはあるので、子供の成長を見れる機会はあります。
クラス替え
一大イベントと言っても過言ではないほど、盛り上がるクラス替えもイタリアにはありません。なんと、小学校の5年間、中学校の3年間はクラスメイトも先生も変わりません。ですので、イタリアでは学校選びがとても重要です。先生や友達とのトラブルがあると転校する子も珍しくないそうです。
塾
日本では、当たり前の習い事の一つである塾もイタリアにはありません。理由は一つ。それは、学校の宿題が多いからです。宿題の多さはイタリアの学校教育の特徴と言え、塾に通う必要がないそうです。授業に追いつけない子たちは家庭教師をつけます。
プール
夏の体育と言えばプールですが、イタリアの学校にはプールがありません。バカンスはほとんどのイタリア人が海へ行くというのに、泳ぎ方は学校では教えてくれません。また、広い校庭のある学校は少ないので体育は体育館で行うそうです。
給食当番・掃除当番
白衣を着て給食の配膳準備をしたり、掃除の雑巾がけなど、懐かしく思う日本人は多いと思いますが、この当番制もイタリアの学校にはありません。給食は先生が行い、掃除は業者が行います。
人気の習い事
イタリアの子供たちに人気の習い事は何でしょう?!男の子の1番人気はサッカー。さすがサッカー大国だけあり子供のころから親しまれているようです。
女の子はバレエやダンスが人気で、男女問わず人気なのは水泳です。プールの授業がないイタリアでは、習い事で水に慣れながら泳ぎ方を習います。習い事は、幼稚園年長くらいから始める子が多いので、日本と感覚が似ていますね。
さいごに
イタリアで生まれたモンテッソーリ教育は、子供の発達に合わせて興味のある分野や環境を整え、自発的に学ぶ教育法です。
日本でも取り入れる人が多く関心の高い教育法の一つです。グローバル化の中で生きていくこれからの子供たちは、日本の教育が当たり前でなく、イタリアのような自由な環境で自主性を育てることも必要なのかもしれません。
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